日本国内におけるカジノ: 観光地?それともギャンブル依存症の温床?

健全さか利益か?

今年もいよいよクライマックスが訪れようとしています。今まさに、ある法案をめぐって論争が巻き起こっています。そう、それはカジノ実施法案です。これは経済成長戦略のための鍵であるとみなされています。

この法案は現在、日本政府が計画している統合型リゾート(カジノリゾートを意味する専門用語)の構造に関する規則を定めるものです。統合型リゾート(IR)とは、カジノ、劇場、ホテル、テーマパーク、ショッピングモールなどを一つにまとめた包括的なエンターテイメント用複合施設です。しかし、この法案決定をめぐる論争はいくつかの重要な問題に関してヒートアップしています。

ギャンブル依存症

ギャンブルは日本では犯罪として扱われていますが、2017年の厚生省の調査によると、およそ320万人ものギャンブル中毒者が存在しているとか。議論されている最大のポイントは、パチンコの依存症ですが、パチンコは日本ではギャンブルというよりもエンターテイメントの一つに分類されています。けれどもパチンコは国内で巨大な市場をもっており、毎年何億という利益をもたらしています。

当然ながら、このことによって、カジノがギャンブル中毒問題をさらに重症化させる可能性があるという深刻な懸念が生まれます。一方政府は、シンガポールにおけるモデルケースをみると、カジノの合法化以来「病的ギャンブル依存症」の発生率が減少しているという研究結果が出ているため、問題はないと主張します。しかし、シンガポール当局は合法化に当たって中毒防止策を強化するための追加的措置を講じていました。

日本政府は、カジノが「世界の最高水準」に基づいて営業するよう計画しており、カジノへの来場は最多で週に3回もしくは月に10回までに制限するとも述べています。しかし、これらの規制によって実際にどのくらいギャンブル中毒をなくすことができるのか、論争はまだまだ続いています。

観光アピール

政府によると、これらのIR 施設は何よりもまず観光業をテコ入れするためのものだということです。国土庁の石井啓一長官は、「日本の豊かな自然・文化・歴史・伝統・食文化を最大限に生かし、日本のIRを唯一無二の存在とする。すなわち、スケールと質において並ぶもののない、世界的にも極めて競争力の高いものとし、世界中からの観光客を集める。」と述べています。

一方、この法案の反対者は、カジノは観光業にとってほとんど役には立たないとしており、IRが海外からの観光客に対してどれほど魅力があるものなのか疑問視しています。しかし、日本開発銀行と日本交通公社が2017年に行った調査によると、海外からの観光客は日本のカジノに非常に関心を寄せているということです。

反対派から出ているもう一つの論点は、現在草案に書かれているカジノのフレームワークでは、政府が顧客や国全体の健全さよりも、運営者たちの利益を優先させているように思われるということです。反対派は、現在計画されているシステムでは、カジノの運営者たちは顧客にローンを提供することができ、それによってさらに顧客の支出を促すような計画となっている、と訴えています。
さらに、そのクレジット制度を利用できるのは、観光客および高収入の顧客のみで、ローンを受けるために巨額のお金をデポジットする余裕のある人々なのです。また、そのローンは2ヶ月以内に返済されなければなりません。

政府と評論家と一般の人々の間で、この計画が適切なものかどうかの議論が行われています。カジノの顧客たち、特にギャンブル依存症の人々は、この計画の餌食となり、日本におけるギャンブル中毒の問題を一層深刻化させるように思われます。
一方、カジノの合法化は観光業の振興に役立ち、経済を強化する可能性があります。法案が可決するまでには、まだまだ議論は尽きないでしょう。